【メリット&デメリット】電子マネーをお客と店舗の目線から徹底解説

レジで会計するときの主な支払い方法は、「現金払い」「カード決済」「スマホ決済」の3つです。

同じ電子マネーでも、プラスチック製のカードを用いた「カード決済」とスマホを用いた「スマホ決済」ではメリット&デメリットが微妙に違ってきます。

たとえば、スマホのバッテリー切れとか。

スッキリ簡単に解説するために、この記事では「スマホ決済」に焦点を当てて解説していきたいと思います。

また、立場によって違いがあるので、「お客さん目線」と「店舗の目線」で分けて紹介しています。

お客が電子マネーを使うメリット

お客さん目線でのメリットは下記の5つです。

  • スピーディーな決済
  • お得なキャンペーンが乱立
  • 大量のポイントが貰える
  • 紛失しても安心
  • おカネの管理が簡単

1つずつ詳しく解説していきます。

スピーディーな決済

電子マネーを使用する一番のメリットは、「スピーディーな決済」と言っても過言ではありません。

初めて使った人の中には「もう終わり?早いな電子マネー」という感想を持った人も多いのではないでしょうか。

想像してください。小銭がパンパンに入っている財布を。財布を見るたびに思いませんか?「小銭減らさなきゃ」って。

電子マネーであれば、財布が膨らむことはなく、いつでも素早い会計が可能です。

お得なキャンペーンが乱立

決済サービス事業はシェア争いバチバチで、戦国時代だと言われています。

たとえば、2018年12月に始まったPayPayの「100億円あげちゃうキャンペーン」。その年のPayPayの決算は、マイナス367億円です。

シェア争いに疲弊したLINEは、ヤフーと経営統合しました。

そんな、赤字&倒産覚悟でのキャンペーンを見逃すのはもったいないです。

大量のポイントが貰える

電子マネーを利用するとポイントが還元されます。

基本的に1ポイント1円です。

dポイントであれば最大還元率7%、楽天ポイントは最大還元率16%です。7%とか16%と聞いてもイメージしづらいですよね。なので消費税増税に置き換えて考えてみてください。

「消費税を7%増税」ってなったら大騒ぎだと思いませんか?国会で「来年から16%増税します」って決まったら、間違いなく炎上しますよね。

消費税と比較すると、電子マネーで貰えるポイントの凄さが実感できるのではないでしょうか。

紛失したときの安心感

現金とスマホとでは、紛失したときの安心感が違います。

もし、財布を落とした場合、運が悪ければ二度と見つかりません。運よく財布が見つかったとしても、現金が入っていない可能性がありますよね。

ですが、スマホならそんな心配はいりません。クレジットカードみたいに、不正利用されたなんてことも起こりません。というのは、スマホは本人以外の第三者が使えないよう、しっかりとセキュリティ対策されているからです。

たとえば、iPhoneで操作するには、指紋認証や暗証番号などの本人確認が必要です。

また、icluoudにログインし「iPhoneを探す」というコマンドから、遠隔操作して強制的にロックすることができます。もちろん初期化も。Android端末も同じように「Googleデバイスを探す(Find My Device)」という機能があります。

誰でも使うことができる財布とは違い、スマホは本人しか操作できない仕組みが充実しているので、もし紛失したとしても「おカネ盗られてたらどうしよう・・・」と心配しなくても大丈夫です。

おカネの管理が簡単

スマホ決済すると買い物の履歴が残ります。

この履歴のおかげで、いくら使ったかを把握しやすく、無駄な出費を抑えるのに役立てることができます。

さらに、家計簿もつけやすいです。家計簿アプリと連動させれば、レシートを貯め込まなくて済みます。

店舗が電子マネーを使うメリット

店舗目線でのメリットは下記の5つです。

  • 人件費の削減
  • レジがスムーズに稼働する
  • つり銭間違いがなくなる
  • 新規顧客の獲得チャンス
  • 入金サイクルが早い

お客の目線でみたメリットはさまざまなものがありましたが、店舗目線では主に儲けるという点が印象的です。

人件費の軽減

実は現金にはコストがかかります。

お釣りの受け渡しや準備、売り上げの管理、閉店後のレジ締め業務などは、多くの作業や人員が必要だからです。

たとえば、お客さんに渡すお釣りを毎日準備したり、1日の売上金を数えて銀行に入金したりしなければいけません。

また、みずほファイナンシャルグループによると、現金を扱うことによって発生する社会全体の費用は約8兆円とのこと。現金の製造費、輸送費、ATM維持費、警備にかかる人件費、出入金や売上管理の人手などなど。

当たり前過ぎて気づきにくいのですが、実は現金を取り扱うにはかなりのコストがかかっています。

今以上にキャッシュレスが普及すると、より少ない人数で業務をこなせるようになるので、人件費を大幅に抑えた店舗経営が可能になると予想されます。

レジがスムーズに稼働する

スピーディーな決済は、店舗側にとっても大きなメリットです。

レジがスムーズに機能するからです。

想像してみてください。Suicaが普及する前のことを。もしくはETCが定着する前の高速道路を。

思い出すと、ぞっとしませんか?券売機や料金所で順番待ちしているときに「ここは、テーマパークのアトラクションか!」とイライラしたことありませんか?

かざすだけで瞬時に決済できる電子マネー。お客さんが財布からおカネを出したり、店員さんがお釣りを渡したりする時間が一切かかりません。

レジの回転率があがれば、お店の回転率も上がり、売り上げUPに繋がります。

つり銭の間違いがなくなる

つり銭の間違いがあると作業が増えます。

たとえばレジ閉めのとき、レジの売上とお釣りの金額が合わなければ、もう一度計算したりレジ周りを探したり。

余計な時間がかかります。

つり銭の間違いがなくなれば、無駄な作業や時間を無くすことができます。

新規顧客の獲得チャンス

ポイント目当てにお店を選ぶ人が増えています。

たとえば、Pontaポイントを貯めている人は、ローソン以外のコンビニへ行かなくなります。

「ポイントってそんなお得なの?」という人もいますが、「60円分のPontaポイントでお酒を買うことができる」と聞いたらどうですか?

ローソンのLoppiでお試し引換券に変えると、50%offで商品購入できると知ったら?

ポイントを貯めるために、お店を選ぶ人が一定数います。

電子マネー導入によって、ポイント目当ての新規顧客にアプローチできます。

入金サイクルが早い

PayPayなどQRコード決済は、クレジットカード決済より現金化が早いのが特徴です。

実際に、最短で翌日の入金が可能です。

入金日が翌月の月末であるクレジットカードの場合、月初めの売上金が入金されるのは2か月後となります。

規模が小さい店舗や1回の取引が巨額な事業であれば、入金サイクルが早いというメリットはかなり魅力的です。

お客が電子マネーを使うデメリット

便利な反面、デメリットもあるので紹介します。

不正利用されるリスクがある

電子マネーは不正利用されるリスクがあります。

2019年7月、PayPayが1,850人を対象に「キャッシュレス決済を使わない理由」の調査を行いました。その結果「セキュリティが不安」という回答が45.2%でした。

「セキュリティが不安」というイメージは、7payの騒動でより一層強まったのではないでしょうか。

2019年7月1日にサービス開始した7payで、利用者になりすまして高額商品を購入するなど約5,500万円の被害が発生しました。

わずか3ヶ月でサービスが終了した原因は、セキュリティが甘かったからです。

7iDは、7payのログインに使用される重要な個人情報です。

にもかかわらず、生年月日と電話番号、メールアドレスがあればパスワードの変更ができ、7iDが乗っ取られやすいシステムでした。

アプリからの登録では必ずしも生年月日の入力を求められず、電話番号とメールアドレスさえわかれば、乗っ取るのが簡単だったためです。

2段階認証に対応していなかったというのも原因の1つでした。

2段階認証とは?
不正なログインを防ぐ仕組みのことで、IDやパスワードの確認だけでなく、セキュリティコードによる確認も行う仕組みのこと!

チャージに手間がかかる

プリペイドタイプの電子マネーは、あらかじめチャージしないと使えません。

プリペイドタイプとは?
事前に現金での入金が必要なタイプのこと!

代表的なプリペイドタイプにはSuicaやWAON、nanacoがあります。

このタイプは、事前に入金が必要なため、手間がかかります。

チャージするための端末がお店に設置されているとはいえ、現金やクレジットカードに比べると非常に手間です。

とはいえ、自動で入金してくれるオートチャージ機能を設定しておけば、事前の入金は不要になるので、チャージの手間はなくなります。

加盟店でしか使えない

一番のネックが加盟店でしか使えないという問題です。

クレジットカードほどの汎用性がないのが残念です。各々の電子マネーに対応している店舗でしか使えません。

たとえば、WAONはファミマとローソンでは使えるけど、セブンイレブンでは使えません。nanacoはイオンでは使えません。

使い分けるのが面倒という人は、楽天EdyやiD、QUICPayを利用する方法をおすすめします。

現金化できない

プリペイドタイプの電子マネーは、基本的に現金化できません。

QRコード決済のPayPayやLINEPayであれば現金化できますが、プリペイドタイプのSuicaやWAONは現金化できません。

現金払いオンリーのお店がまだまだ多い現状において、現金化できないのは大きなデメリットといえます。

使い過ぎるリスク

使い過ぎるリスクがあります。

チャージが手間だからといって、オートチャージや後払いタイプの電子マネーを利用すると、クレジットカードと同じようについつい使い過ぎてしまうことがあります。

こんな経験ありませんか?

クレジットカードの明細を見て「うそ!?こんなに使った?」と驚いた経験。

手持ち以上の買い物ができると、財布のひもが緩みやすく「まぁいいか」となるので注意しましょう。

スマホの故障やバッテリー切れ

かざすだけで決済できる電子マネー。

非常に便利ですが、「スマホが壊れた」とか「スマホの電池がなくなった」となれば決済することができません。

ちなみにSuicaは、微弱な電流があれば利用できるので、バッテリー切れ直後でも利用できるとか。

店舗が電子マネーを使うデメリット

デメリットはいくつかありますが、導入を躊躇するほどのデメリットといえば手数料ではないでしょうか。

買い手には手数料がかからない電子マネーですが、売り手には手数料が発生します。

導入により手数料が発生する

決済システムを導入すると、そのお店でクレジットカードでの支払いや電子マネーでの決済が可能になりますが、手数料が発生します。

手数料は3%前後が一般的です。

たとえば手数料3%の決済システムを導入した場合、10,000円の商品を売るたびに300円の手数料を、決済システム提供者に支払うことになります。

現金であればこの300円を支払う必要がないので、電子マネー導入による手数料はデメリットと言えます。

QRコード詐欺

日本は治安がいいので関係ないかもしれませんが、QRコード決済大国である中国では詐欺が多発しています。

店舗が提示している支払い用QRコードの上に、偽物のQRコードを貼り付けられてしまうという詐欺です。

汗水流して手に入れた売上金が、他人の口座に入金されていたなんて悲しすぎますよね。

通信環境に依存している

当たり前ですが、停電や通信障害が起きれば使用できません。

たとえば、地震や台風などの影響で、ネット回線が使えなくなると決済できなくなります。

オフラインの状態でも決済履歴を残せるPOSレジもありますが、電力の確保ができなければ一緒です。

システムが使えなければ、決済できなくなるという弱点があります。

【メリット&デメリット】電子マネーをお客と店舗の目線から徹底解説まとめ

いかがでしたか?

どんな物でもそうですが、良い部分と悪い部分があります。

電子マネーやクレジットカードは上手く使えば節約、下手に使うと使い過ぎになるので注意して利用してください。